そうか

ルソン島はフィリピンだったか
激戦区だったよね？
まぁ、あの人がどこに行ったのかは分からないし
出てきた南方に行った一番年下の人と同じ位だな
終戦時18歳位だった筈
将校や伍長だった人達は90歳過ぎてても矍鑠としてお元気そうなのに
あのジジィは……
でも、そんなシッカリした方でも数ヶ月後に亡くなったりしてるのだから、人の生き死には分からぬものです
どうして
何が
こんなに悲しいのか
何故
涙が止まらないのか
まるで分からない
自分の中にハッキリした考えというか、気持ちというか
具体的な悲しみがある訳ではないのだ
でも、樹海の傍で体験したような外側から染み込んで来るような悲しみじゃない
自分の中からのものだ
多分
だけど、理由が分からないんだ
何がそんなに悲しいのか
ただ共感してしまっているのだろうか？
建物が共震するように
だとしたら
樹海でのことも納得？
感じ取ってしまうのか？
向こうからよく見えるのか？
戦争はつまらんものだ
確かに
誰も戦争をしようと思って戦争を始めるんじゃない
別の目的があって戦争は手段な訳だけど
その内、何が何だかわからなくなってしまうのだ
戦争なんかしない方がいい
みんな分かってる
だけど、思いがけない方向に進むこともあるのだ
物事は
それにしても、理由も分からず泣き続けてしまうのは、何故なんだろう？
共感なの？
僕の中の誰かが泣いてるの？
そういえば、何が悲しいのかハッキリ分かる時は稀だ
僕はどうかしてるの？